クルミを割ったことのない日々

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『リメンバー・ミー』を観た感想

お題「最近見た映画」

 

※ネタバレ気を付けてますが、注釈にはネタバレを若干含むので少し注意

 

ディズニー×ピクサー最新作『リメンバー・ミー』を遅ればせながら観てきました。

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なぜ遅れたかと言えば、あんまり面白そうな気がしなくて。というか、絶対観に行く!と思わせる要素が私の中では薄いように思えていた。キャラクターもそこまで魅力的に見えていなかったし、「子供が異世界で大冒険」みたいな感じならもういいかなぁ、ってちょっと冷めた気持ちもあったりなかったり。

とはいえ、ディズニー×ピクサー作品はこれまでどんなにいぶかしげに観てもやっぱり安定の面白さだったわけで、『インサイド・へッド』なんて"氷の心"と夫に揶揄されるほど滅多に映画で泣かない私が家で観て号泣したくらい良かった。あの時、映画館で観とけばよかったと後悔したんだよなぁ。うーん、でも今回はそれほどかなぁ。くらいの気持ちでいたところ、夫が『リメンバー・ミー』観たいと言い出してくれたので、ならばせっかくだし観て損はないでしょ、というのテンションで観に行った。(私っていつも映画館行くか悩んでるな。映画鑑賞料金もっと安ければなぁ…)

 

いや、あっぶなーー!

大傑作見逃すとこだったーー!!!

 

観たのは吹き替え版。これがまた良かった。

今回の映画は主人公の少年ミゲルの声優の力量にかかってるところもあるけど、日本語版は世界的にみてもかなり素晴らしいはず。英語の字幕版観てないのに断言もできないけど、それならもうブルーレイは絶対買うので各国版を特典で収録してほしい。それで何を聴き比べたいかって、ミゲルの歌よ歌!

今回個人的に嬉しかったのは先月観た『クソ野郎と美しき世界』でやってくれずに気持ちが消化不良起こしていたこと*1を見事にやってくれたので、これだよこれこれ〜!と私ご満悦。何よりその展開に必須の「驚くべき歌唱力」が想像を超えていた。

この声優が誰なのか、観てる間は一般的に考えて女性の声優さんか歌唱部分だけ女性の歌手の方かと思っていたら、セリフも歌も全て石橋陽彩くんという13歳の男の子!

この石橋くん、2015年にTBS『世紀の歌声!生バトル日本一の歌王決定戦!』のジュニア部門でグランプリを獲得してるんだけどそれをたまたまテレビで見てた覚えがあって、小さいのにすんごいうまいから本戦の大人の出場者が見劣りするという悲しいことになった印象が強く残っている。あの時のあの子か!とわかった時とても合点がいったし勝手に伏線が回収された気分。

そんな石橋君くん版ミゲルの歌を聴くためだけでも観た方がいい!間違ってもネットの動画とかで適当に観てこんなもんか、とか観た気にならないでちゃんと映画の流れの中で聴いてほしい。はじめに歌った『ウンポコロコ』(ウンコポロポロという替え歌を世の小学生がゲラゲラ笑いながら歌ってそう)って歌が非常に良くて本当それで即心奪われた。

ただ、私の最近の映画感想の流れからしてまた歌が良ければいいって話かよって思われるのは不本意で、それだけじゃなく私でもホロっとくるくらい感動できるし驚かされる展開もしっかりあってストーリーも素直によかった。観ていくうちに、ミゲルのことなんか超かわいく思えるので、キャラクターの魅力うんぬんは全くいらぬ心配だった。

描写として部分的に気になるところもあると言えばあるけど(若干流れに無理あるかなぁとかここでみんなが大喜びってちょっと残酷じゃないかなぁとか)、それも自分の中で擁護できる程度のことなんで大丈夫です!絶対おすすめです!

だって観てから1週間経つのに、未だにちょっと余韻に浸るときあるもの。気づくとミゲルのリメンバーミーを思い出し口ずさんでちょっとジンとしてる。

まだ観てない人は、本当観た方がいい。本当に。

 

ここから先はちょっと本編と関係あるようなないような不満を言うとですね、最近のディズニー映画あるあるの問題。

まず子供にもわかるように作中の文字をわざわざ日本語に修正してくれてるのはわかるんだけど、フォントどうにかなんないの?問題。せっかく死者の国なんて本当に美しい世界観にしてあるしメキシコの町もかわいいデザインや色使いで作り上げられているのに、そこに急にPCに標準搭載されているようなゴシック文字の不釣り合いな「リメンバーミー」とかの文字が入るとちょっと萎える。もうちょっとどうにかならないのかなぁ。

それから日本のプロモーションとして吹き替え版の主題歌を日本の歌手が歌うの、あれ、、、やめません?問題。CMで聴いた時にそこまで良い歌だと思えなかったから、主題歌がアカデミー歌曲賞受賞したって聞いた時は「え?『グレイテストショーマン』の方が全然いいのに」と思ってた。映画観て『リメンバー・ミー』の歌の良さは完全に納得したんだけど、あらためてエンディングでシシドカフカちゃんの歌聴いても、うーん…。ごめんね、シシドカフカちゃんが悪いんじゃないんだろうけど、あの歌のアレンジが良くないのかなぁ、とか言うと今度スカパラ批判になっちゃうかしら。どっちのことも嫌いじゃないんだけどね。劇中の歌が良いってなるのは思い入れからして当然なわけで、歌わされる方も大変だよね。過去のMay J.の叩かれようで懲りてはくれなかったか…。

 

ついでに、同時上映のアナ雪の短編『アナと雪の女王/家族の思い出』については、本当酷い。ハッキリ言って早く終わんないかなって思いながら観てた。ダラダラ長すぎるし、オラフがかわいそう過ぎて笑えない…。そしてお騒がせ姉妹に国民は辟易してんじゃないかと要らぬ心配すらしてしまう。そうやって見ると冒頭のシーン*2を邪推してしまう。エルサはメンヘラぎみのめんどくさい女感が増しちゃって「♪どんなときでもそばにいて」「♪あなたといるだけで何にもいらない」てな歌がうすら怖く重たく感じてしまったのは私だけだろうか。でもさ、エルサもまだ20歳とかでその前は何年も引きこもってたのに国を背負わされてるんだよね、しょうがないかな?…こう書いてみると闇深いわ。あーあ、私だってこんな短編で彼らに嫌な感情を持ちたくなかったよ。『アナと雪の女王』は大好きなのに。

だけどまぁこの苦痛を乗り越えてからの『リメンバー・ミー』だから余計に面白く感じられるかもしれないし、一応テーマが「家族」とか「伝統」とかちょっとリンクしてるところもあるので、、、いやだからってあの22分はキツイわ。あ、ジャガード織みたいなアニメーションのところは面白かったです。そこだけ、そこだけがんばって観て!あとはポップコーンでも食べてたりお子様は念のためもう一回トイレにでも行っておいでよ。

さっき知ったけど、アメリカでは不評で途中から併映が取り止めになったという話もあるみたい。それが真実かはわからないけど、ありえなくないと思える話。一緒に観た夫は『リメンバー・ミー』は星5つで、アナ雪の短編はゼロにしたいくらいだけど星1つという評価つけてた。まぁそれも極端だけど否定はしない、かな。

 

いずれにせよ、良いも悪いも体験できるうちに映画館に行くことはおすすめしたいです。

是非。

 

 

 

*1:なかなか歌わないところからの実はすんごい歌えるーー!のやつ。代表作は『天使にラブソングを

*2:国民が続々帰っていくところ