クルミを割ったことのない日々

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『里見八犬伝』を観た感想

凄い映画を観てしまった。

アマゾンプライムで観られる『里見八犬伝』(1983年)を何も知らずに観たら、もとから貧困な語彙力が吹っ飛んで「凄い」としか言えなくなった。

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凄いポイントその1 : 真田広之が超光ってて凄い!

かんっぜんに度肝を抜かれたのが真田広之さんですよ。何あの人、めちゃくちゃ凄くない?!!この映画について誰かが「凄いよね」と言ったらまず「あぁ真田広之ね」という返事で正解だと思う。

正直なめてた。『高校教師』があんなに身体能力高いなんて思わないじゃない。過去に売れっ子だったけどなんだかハリウッド行っちゃった人、みたいな印象しかなくてこの映画もビジュアル担当だと思ってた。

観始めたら

「あれ?この暴れ馬乗りこなすのやるなぁ」

「え?後ろ手に縛られた状態で馬から降りた?」

「わわ?!殺陣やば!凄い!!」

と、ソファーでのんびり見始めたのにいつの間にか前のめりになっていた。

なんなのJAC*1って。レンジャーでも育成してんの?

後日『戦国自衛隊』を観てたら馬から大ジャンプしてる人がいて、おいおい真田広之かよと思ったら真田広之だった。

どうりで『ラストサムライ』でトムクルーズに嫉妬で出番減らされるわけだよ。その話聞いたときはまた日本のメディア話盛ってらぁと思ってたけど、ほんと土下座だよ。そうですよ、なーんにも真田広之の事知らなかったですよ。もっと知っていたら『ラストサムライ』の見方も違ってたよ。渡辺謙さん目当てだったから注目せず観ちゃったじゃないの。

はい、もう真田広之の株が1部上場しましたー。今後も投資していきますー。で、どの作品から観ればアクションスター真田広之が観られるんでしょうか。。。

素晴らしいアクションと共に、ご存知のあの端整なビジュアルで親兵衛という役柄の悪ガキっぽいかわいらしさ(というには初めちょっと嫌なやつすぎるけど)と後半の憂いを帯びた色気の同居する魅力を存分に堪能できるのが、まず最大の凄いポイント。

 

凄いポイントその2 : 役者が超揃ってて凄い!

この言葉を読んで字のごとくに使わせてもらいたい。真田広之は唯一無二の存在としても、薬師丸ひろ子をはじめ全員適役。30代の私でもわかる名優の方々が若い姿でちらほら。京本政樹は何も変わっていないのですぐわかった。あと夏木マリって昔からあの感じだったんだね。あの美しい魔女みたいな役は今年映画をリメイクするとしても夏木マリがやりそう。ヌードのシーンはさすがに今は、、、と思ったけど夏木マリならひょっとすると大丈夫かもしれない。

 

凄いポイントその3 : お金が超掛かってて凄い!

絶対莫大なお金かけてるだろうおかげで35年前のCGが駆使出来ない時代の作品でもちゃちさがない。これどうやってるの?と驚くほど。たぶん金かけて壮大なセット作ったり最先端の特殊メイクや特撮でうまいことやってるんだろうけど、今観ても古さが邪魔をしない。

逆に今の映画は世界的にCGが進化しすぎて安いCGを多用すると不自然さが許容しづらくなっている部分はあるかもしれない。

 

凄いポイントその4 : 演出が超ひねってて凄い!

黒澤明をオマージュしたような時代劇にもみせつつ、劇中にロック調の英語の歌を使用したりちょっと気恥しくなるほどの長いラブシーンもあり、ハリウッドのようなスケール感のあるファンタジーに仕上げている。

後半信じられないスピードで人が死んでいくのはビックリしつつも、例えば『ロードオブザリング』を2時間にまとめたと思えば逆にありがたいくらいに無邪気に楽める。正直、どうしてこうなったっていう最初の説明は頭に入らなかったけど観ていくうちに何となくわかってくるから大丈夫。

 

凄いポイントその5 : 監督が超異彩放ってて凄い!

噂で凄い凄い聞いてたけど、自分で体感しないとわからないもんだな。深作欣二監督作品で観たことあったのは 『忠臣蔵外伝 四谷怪談 』と『バトル・ロワイアル 』だけだったけど、確かにどちらも印象深いし不思議とたまに観返したくなる。まだ3作品だけしか観てないのではっきりとはわからないけれど、固定概念にとらわれることのない作風にはとても魅力を感じる。こうなってくると深作監督作品は進んで観ていきたい。『復活の日』がアマゾンプライムにあったので必ず観よう。『魔界転生』もいつか観たい。とはいえ『仁義なき戦い』はちょっとどうだろう…ヤクザものなぁ。『アウトレイジ』は好きだけど。

 

結論:『里見八犬伝』は凄い!

 

いやはや、私自身そんなに映画を知っているわけではないにしろ、うっかり知らないままになりそうな名作って世の中に本当にたくさんある!

なんでもそうなんだろうな。

もっと色々観たいし体験したい欲が高まっているこの頃。