クルミを割ったことのない日々

思いついたことを好きなだけ

おでかけ

とても久しぶりにおでかけをした。

いちばんの目的は上野の東京都美術館で開催中の『プーシキン美術館展』。

美術展はたまに行くものの、初めてヘッドホンで解説などを聴ける音声ガイドを借りた。声の案内人は俳優の水谷豊さん。水谷さんの知性とユーモアを兼ね備えた独特の語り口は、絵画の世界へと気構えることなく誘ってくれた。ロシアのプーシキン美術館についてのコラムを声優の上坂すみれさんが可愛らしい声で語っていて、それも好感がもてた。合間に聴けるクラシック音楽が用意されているのも良い。ガイドを聴きながらの鑑賞をしてみると、いつもはなんとなくで鑑賞していたような気がしてくる。まるでわからない言葉や読めない漢字があるまま小説を読んでいたような感じかもしれない。絵を観ながら解説を聴くことで、自分にはなかった視点や角度から絵画をじっくり楽しめる。そしてなにより美術館という空間に没頭できた。音声ガイドってこんなに良いものだったのか、はたまた今回のが素晴らしかったのか。とにかく次美術展に行ったらまた音声ガイドを借りたいと思わされる新しい体験だった。

ちなみにガイドの最後にドラマ『相棒』のファンなら少しニヤリとするセリフを水谷さんが言っていたと思う。ほとんど相棒を見たことないので今ひとつピンと来ず申し訳なかったけれど。

 

昼食を終え、不忍池のボートに乗ってみることにした。手漕ぎがよかったが焦げそうに暑い日だったので、車が半分沈んだみたいな風体の足漕ぎ型ボートにした。風が強かったのでなかなか操作が難しくかえって楽しめた。

 

旧岩崎邸庭園にも8年ぶりに訪れた。残念ながら一部補修工事中だったが、あいかわらずの大金持ちの贅沢で品のある家だった。住みたいかと言われると違うけれど、夏休みに3日間くらい滞在できたら最高だと思う。ベランダから校庭ほど広い芝生の庭を見下ろしながら、東京はずいぶんみんなでギュウギュウになって暮らしているなぁ、なんて他人事みたいに思った。帰り際に8年前と同じ場所で写真を撮った。20代と30代の私を見比べると哀しいほどに時の流れを感じた。また8年後にも40代の私を収めに来よう。

 

上野近辺の最後は湯島天神にお参り。家族の健康と平和な日々を願い、暑くて充実した1日を無事終えた。

 

おでかけ、楽しかったな。