クルミを割ったことのない日々

思いついたことを好きなだけ

似た者夫婦

<結婚は「怒らない人」とすべき>という下記記事が話題になっているが、最近そう感じたことが何度かあった。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

仕事で複数組のあらゆる世代のご夫婦に接客する機会があった。はじめましての全く他人のご夫婦。

例えばブライダル関係の仕事をしている方などはきっとよく感じていることだと思うが、少し会話しただけでも何となくその夫婦の関係性は垣間見える気がする。こちらが話しかけた時に夫婦のどちらが積極的に返答するかとか、配偶者が発言している時の反応とか。

今回多かったのは以下の3つのタイプ。

  • 旦那様が主導権を持って話し、奥様がそれに賛同したり上手く舵をとるように時折助言や訂正を入れてくるタイプ。
  • 奥様が積極的に話し、旦那様はそれを黙って聞きつつ必要な時だけ口を挟むタイプ。
  • 奥様がこちらに返事をしつつ旦那様に「いいよね?」などと最終確認や賛同を求めながら話を進めて、時には旦那様が会話の主導に移っていくタイプ。

感じがいい夫婦は、それぞれがお互いの足りない部分をうまく補い合っている感じがする。そうでない夫婦はどちらかが圧倒的に強くどちらかが委縮しているように見える。

 

記事の「怒らない人」=寛大な人だとすれば、それはとても納得がいく。正直、この人の奥さん(あるいは旦那さん)は大変だなと思ってしまうような、いやな物の言い方をする人にも出会った。大抵その人の配偶者は隣で諦めた様な悲しげな表情でそこにいる。

しかし一番厄介なのは夫婦共々「怒る人」で短気のクレーマータイプ。この困った似た者夫婦は、怒りの沸点が異常に低く同じ温度で怒りだす。触れたら危険で周りの空気もひんやりさせる、まるでドライアイス。なだめようと水を差そうもんならブクブクとあたり一面に荒げた言葉の煙を広げるばかり。片方がどんな理不尽なことを言っていようがそれに賛同し、お互いが怒りのサポーターとなっているから埒が明かない。

でもそうした夫婦は初めから考え方が似ていたのだろうか、それともいつの間にか似てしまったのだろうか、と不思議になって考えてしまう。同じように育ったきょうだいならわかる。でも長く一緒にいたとしても元は他人であった夫婦だ。それが今は常識から外れた感覚を共有して生きている。もしも「怒る人」と結婚していつしか「怒る人」になってしまったとしたら、とても悲しく恐ろしいことだ。

夫婦は似てくるというが、私自身、ふと気づくと夫と考えが似てきていると思うことがある。夫も私に影響されているところはあると思う。今のところそれは悪くない事柄だけだと思っているが、そうしているうちに意識せずどちらかの間違った考え方に偏ってしまう可能性もある。

 

そんな似たもの夫婦にならないように、出来る限りお互いの間違いを正せる関係でありたい。そのためには夫婦間以外の意見を取り入れられる環境も大切にしなければ。

様々なタイプのご夫婦と出会い、つくづくそう思った。