すっかり冷夏になってしまった。屋外プールは商売上がったりだろう。
泳げなくても最近はプールで底まで潜ったりするのが好きだ。
ただ、足のつかない深さへの恐怖は未だある。
楽しい思い出と共に蘇る溺れた記憶。泳げない人あるあるなのだろうか?
一度は小学校のプールの授業中に溺れた。
泳げないくせにプールの授業はご多分に漏れずテンションが上がるほど好きだった。
そんな授業の後半、初めての流れるプールの時間に起こった。
「流れるプール」は前の人の肩を両手で掴む電車ごっこの形で輪になり、プール内をグルグル回って作り出す例のやつだ。
それが終わりの時間を迎えて「さあ休憩です、上がってください」となった時だった。辛うじて命綱になっていた前の人の肩から手を離した途端、鈍臭い私はそのまま深い方へ流されてしまった。
背が小さかったので足を底に着けると身体全部が沈んだ状態となり、泳げないのでジタバタするから余計に深い部分から脱出できず、もうパニック。
幸いすぐに先生が気づいて助けに来てくれたので、大事にはならなかった。
あの時の先生の慌てぶりや、抱きかかえられた私をクラスメイトが心配そうに見つめていた光景は今でもありありと目に浮かぶ。優しく声をかけてくれた友達、今更だけどありがとう。
本当、すぐに助けてもらえてよかった。
そういえば、昔観た映画『15少女漂流記』で、内容はほとんど覚えていないが、女の子が溺れて死んでしまうシーンだけが印象に残っている。記憶が確かなら、泳ぎの得意な子だったのに足に何かが絡まって海中から浮上できず、1人で誰にも気付かれずに死んだと思う。
映画などのそういう場面は助かるパターンしか観たことがなかったので、とてもショックを受けた。
誰でもどこでだって溺れる可能性があるのは事実。
だから気をつけてほしい、真面目に。