クルミを割ったことのない日々

思いついたことを好きなだけ

秋の山と私の心

声が小さいとよく言われる。出してるつもりでも聞き返されたりする。
幼い頃、ほとんど喋らない子だった。家に帰れば母にその日の出来事を話していたらしいが、幼稚園では一言二言ポツリと話すくらい。友達とのおままごとでは赤ちゃん役というセリフのない役を与えてもらっていた。
そのせいで声帯が発達しなかったのだろうか。

 

今もおしゃべりな方ではないが、それなりに大勢での会話にも参加できる程度には成長した。それでも自分の中では大きめに声を出すような意識でいないと、え?と言われてしまう。しょうもないことを言った後だともう一度言うほどでもないのでひとり言だった風に装ったりしちゃって。
「タロウーー!!いくよーー!!」
などと腹からの声で子供を呼ぶお母さん達はすごい。私は人を呼ぶ時も駆け寄って声をかけてしまう。相手に聞こえなかった時の切なさを何度も体験しているから緊張で喉が開かないのだ。

 

そんな私が最近1番大声を出したのは恐らくあの時だろう。

 


「やっっっほーーーーー!!!」

 


山の頂上ではなく、山の道すがらだ。
必要に迫られたのだ。こんなこと私が望んでやるはずもない。それでもこれを全力でやらなければもう一度やり直しという危険を察知してのことだった。事の経緯は話せば長くなる。山で松岡修造に絡まれたら、とでも想像すれば何となくお察し頂けるだろう。

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今思い出しても、あの時の自分を褒めてあげたい。ひょっとしてポテンシャルはあるのかもしれない。そうなればあとはボリューム調整の訓練と心の問題、その心をどう開くかが1番悩ましいのだけど。