クルミを割ったことのない日々

思いついたことを好きなだけ

気持ち

「お隣のケイコちゃん来月結婚するんだって」

母はそう言ってから返答を待つように私を見つめてきた。

「そうなんだ」

私はそれだけ言うと、母の視線を避けるようにその場を離れ家を出た。

コンビニで新発売のアイスを買い、近くの公園のベンチで食べた。思ったほど美味しくなかった。

 

 

例えばこんな文章があったとして、この文中の「私」はアイスを食べている時どんな気持ちか。

・結婚への憧れの気持ち

・大人になりきれない自分へのやりきれない気持ち

・アイスメーカーへの怒りの気持ち

 

テストだと文章の読み取り方に正解があるが、それは本当に正解なのか?と疑問に思ったことはないだろうか。

特にこの文章の場合はまだ情報が少なく、どれでもあるようだし、どれでもないかもしれない。

 

この文章は私が適当に考えたものだから正解は私が決められる。よって上記の3つの答えのどれも正しくない。

・ずっと1人でこうしていたい怠惰の気持ち

が正解。

 

人間わりと関係ないことを考えていたり、意味のない行動を取ったりもする。

日常には「国語」のような正解がなかったり不正解のような事実があったりもする。

だからこそ人の気持ちを推し量るのは難しいし、こちらの気持ちも言ってあげないと伝わらない。

 

そんな事を改めて感じたこの頃。