クルミを割ったことのない日々

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『続・時をかける少女』を観てきました

『続・時をかける少女』公演のちらしを見た時からもう観に行くことは決めていた。

ニッポン放送 オールナイトニッポン50周年記念公演 続・時をかける少女|ニッポン放送EVENT

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劇団<ヨーロッパ企画>ファンになってまだ日は浅いけれど、脚本家の上田誠氏率いる彼らの生み出す作品は、なじみのレストランで出される料理のごとく「何出されたってきっと美味しい」という安心と信頼がある。

「安心と信頼のヨーロッパ企画」と通天閣に掲げたいくらいだ。

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今回も上田節が光る、笑いと伏線の散りばめられた舞台。お腹いっぱい楽しみました。

お父さんに連れられたちびっ子もケラケラと笑っていたのが印象的で、出演する乃木坂46の子(新内眞衣さん)目当てらしき男子たちも帰りの道すがら「おもしろかった!!」と随分と興奮ぎみに感想を言い合っていた。おそらく舞台を見ること自体が初めての様子。

「そうなんだよ、そうなんだよ、誰もが気軽に楽しめちゃうのが上田さんの舞台なんだよ。乃木坂の子も素敵でしたねぇ。」と、まだまだにわかの域を脱しないくせに先輩面でちょっと誇らしげに肩を叩きたい気分だった。

加えて伝えるなら「これは特別メニューだけど通常メニュー(ヨーロッパ企画主催の公演)も美味しいからまたおいで」といった気持ち。

 

時をかける少女』に関しては原田知世主演の1983年の映画がとても好きだ。

尾美としのり以外は演技もアレだし何だかわかりづらいし昔のアイドル売り込み映画だなとは思うんだけど、原田知世演ずる和子がむくっと起き上がって歌いだしたときから今までのわだかまりの全てを無条件に許してしまった。

今回の『続・時かけ』はそんな新人のプロモーション劇場感はまるでなく、とにかく皆芸達者だった。それでも結果的に若い俳優たちがとても魅力的に見えていた。

和子はいつも誰でもどうにも普通で可愛い。

物語の主人公って「私、かずこ!どこにでもいる普通の女の子!」って言いながら魔法使えたりアイドルだったりめちゃくちゃモテてたりと「どこが普通だよ!」と突っ込みたくなるけど、『時かけ』の和子はタイムトラベルできても尚、本当に普通っぽい。選ばれし魔法少女ではなく、たまたま普通の子がタイムトラベルできるようになっちゃった、という感じがいつの時代も大人になっても見る人の心を掴むのかもしれない。

そんな和子役の上白石萌歌ちゃんは初見よりも和子として見ていくほどに可愛くなっていった。正直お姉ちゃんの萌音ちゃんと見分けがつかないのだけど、今回で俄然萌歌ちゃん派になった。その派閥に属して何というわけでもないけど、とにかくどっちか選ぶ時の心構えができた。

他にMEGUMIがでていて、最初気づかなかったけど途中で「足ほっそいけど誰なんd…MEGUMIだ!」と気づいた。余談だけどMEGUMIは見た目よりも懸命に生きている感じしてわりと好きですね。十分売れてるだろうし何にも心配いらないんだろうけど、テレビとか舞台とかでMEGUMIが出てるの見ると「よかった、まだ生き残ってる」とホッとする。ってすごい余計なお世話だろうな。

 

ストーリーは完全オリジナルかと思っていたがWikipediaによると、

NHKドラマ『タイムトラベラー』(1972年)の続編として放送された、石山透によるオリジナルストーリーの『続 タイムトラベラー』(1972年)を2018年に舞台化

時をかける少女 - Wikipedia

ということらしい。

『続 タイムトラベラー』の内容を見る限り、設定をいくつか拝借しつつ現代に置き換えて、シリアスよりだった内容をコメディに変更しているものと思われる。

ただ、クライマックスの意外なところが元ネタ通りだったのはちょっと笑った。

(ネタバレになるので、読みたい方だけ反転かコピペで読めます↓)

芳山和子が時間と時間の間隙にある宇宙のような空間(時間の歪)で見るターバンを巻いた謎のインド人たちは、時間の狭間を彷徨う放浪者だった。

続 タイムトラベラー - Wikipedia

 

今回の設定だと、70年代〜90年代の流行に詳しいとより楽しめたのかな?とも思う。各世代の人がそれぞれハマる年代で特に笑ってる感じだった。

舞台のセットは不思議な縦の構造だと思ったけど、演出のためにうまく使われてて、感心した。オープニングのプロジェクションマッピングも素晴らしかった。

 

舞台で活躍出来る人はなんとなく本物な感じがしてカッコイイ。カーテンコールで清々しい笑顔でお辞儀をする姿を見ると、どこか羨望の眼差しで見てしまう。

ヨーロッパ企画のメンバーは出しゃばらず地味に大活躍という感じで、そんなところもカッコイイ。生まれ変わったら舞台役者もいいな、なんて。欲張るなら劇団四季がいいけど。(ヨーロッパ企画じゃないんかい、っていう笑)

 

次は夏のヨーロッパ企画の20周年ツアーだな!

natalie.mu

 

もちろん、今からお腹空かして行きますよ。