ASKA『大人じゃなくていい』
配信をダウンロードして聴きました。
1987年にカセットとレコードでシングルリリースされた後CDには未収録で、今月リリースのアルバム『SCENE - Remix ver. -』にボーナストラックとして初のCD化&ハイレゾ配信となった作品です。
そのため長年のファンには待望の、私にとっては新曲同然の全く聴いたことのない曲でした。
随所に昭和後期の雰囲気を感じ、もはや存在しないドラマのオープニング映像が私には見えてくる。役者が一人一人映されては微笑んでいるところに芸名、役名が表示されるタイプのあれ。
何が昭和なのだろう。この歌で言えばイントロがとてもそう感じる。
このあいだ再放送していた1991年のドラマ「千代の富士物語」のオープニングを見た時も強く昭和を感じた。
音の使い方?共通点から言えば、ゆったりしたバイオリンの音色のせい?
ということは、さだまさしのせい?
いや、あの名前もわからない楽器のせいだ。特にティロリロいってるあの音だと思う。わからないので深追いはしない。
ただ不思議とこの曲に対する感情は、完全に存在を忘れていた「算数セット」を20年ぶりに見た時の「あーっ!あった、持ってたぁー!」に近い。
(算数セットって大して授業で活用されてなかったのは私のクラスだけだろうか)
話を歌に戻そう。
「ASKA」ではなくまだ「飛鳥涼」であった頃の作品で、特にサビでの飛鳥の歌声には非常に熱がこもっている。
感情が溢れ出しそうな歌いっぷりだが、当時何かあったのだろうか。
私には歌詞にあるようなドラマチックな思い出はないのに、居もしない「昔大好きだった恋人」に胸を痛めそうになった。
なにより「大人じゃなくていい」という言葉のチョイスが好きだ。
「子供みたいでもいい」でも「カッコ悪くてもいい」でも「女々しくてもいい」でも話は通じるが、「大人じゃなくていい」にしたことで大人のいい男のフリを懸命にしようとしてできない感じがより深まる。そして本人的には不服かもしれないが、そこがとても愛おしく可愛い。これが母性本能ってやつか。
何度聴いても妙にニヤけてしまう。
とにかくめちゃくちゃこの歌好き。カラオケで私も熱唱したい。
こればっかりは20代の飛鳥涼だから最高な気もしちゃうけれど、今の大人のASKAさんが歌ったらどうなるか気になるから、どこかで歌ってくれないかしら。