今週のお題「好きなアイス」
ビエネッタが好きだった。
おばあちゃんの家でたまに食べられるケーキのようなアイス。
切り分けて食べる、パリパリで贅沢な味わい。
ある日、おばあちゃんに「好きなアイスを買っておいで」とお金を渡され、近所のコンビニへ1人で向かった。
「はじめてのおつかい」ではないが、自分で選んで買うのは初めてで、ドキドキだった。
もちろん私はビエネッタ一択。箱を冷凍ケースから取り出しレジに向かう。
いつものおばちゃんにビエネッタと持ってきた500円玉を渡す。
ビエネッタが食べられる!持ち帰ればおつかいは成功!
「これだとお金足らないよ」
おばちゃんは私に残酷な事実を告げた。
呆然としてから意味を理解して恥ずかしさでいっぱいになった事は覚えているが、その後の記憶が途切れている。
たしかおばちゃんは優しく500円で買えるアイスを教えてくれたと思う。そうして、それからどうしたんだろう。
ビエネッタ。それは優雅で豊かな味わい。
500円では買えない遠い日の夢のアイス。
最近はカップのビエネッタもあるらしい。そんなの認めんぞ!!