クルミを割ったことのない日々

思いついたことを好きなだけ

ウエストランド

数年前から2か月に1度、爆笑問題の所属しているタイタン主催のお笑いライブを映画館で生中継する『タイタンシネマライブ』を観に行っている。

 

あれはもう何年前のタイタンシネマライブだったか。

トップバッターで小さいのとぼんやりしたのが出てきて、小さいのがとにかくずっとしゃべっていた。劇場内のお客さんのほとんどが「知らないやつら出てきたな」から「悔しいけど笑っちゃう」という、大げさに言えばスーザンボイル的な空気の変えられ方をしていたように記憶する。

ライブを見終えて誰が面白かったかを同行者と話し始めると

「あの、名前覚えてないけど顔がタイ米のやつがずっとしゃべっているコンビ!」

「そうそう!なんとかランドだっけ?」

 

それがウエストランドだった。

 

その後、初めて生のお笑いライブを観に行ったのはウエストランド目当ての『タイタンライブレア』(若手芸人だけのライブ)だった。

小学校の1クラス分くらいの人数しか入らないビビるくらい小さな会場に入ると、慣れた感じのお客さんですでに席がほぼ埋まっていてまたビビった。仕方なく空いていた1番前の席に座ると立ち上がって2秒で演者を刺せるくらいの距離にステージ…というか段差があった。

そこにウエストランドが登場してくるとぼんやりした方こと河本が近くの顔見知りのお客さんにちょっと会釈していた。そのくらいの規模だ。

近くで見たウエストランドの小さい方こと井口は映画版のスマーフみたいにリアルフェイスで、あんまり近くで見るタイプのやつじゃないなと思った。

 

 

ちなみに同じタイタンの日本エレキテル連合のダメよ~ダメダメもそこで初めて見た。オチ終わりに複雑な笑いが沸き起こり、個人的には好きだけどこれは世には出ないのだろうなとその時は思っていた。

 

2回目にタイタンライブレアを観に行った時はもうエレキテルがブレイクしだした頃で、劇場も前の3倍かそれ以上の大きさでお客さんもぎゅうぎゅうだった。

それでもウエストランドをひそかに応援していた。今度は離れていたのでちょうどよかった。

周りには「ひそかに」だけど本人には伝えようと思い立ち、ライブ終わりに劇場の廊下に立っていた井口に少しドキドキしながら声をかけた。

「応援してます」

「あ!ありがとうございます!」

声は漫才の時と変わらず明るいトーンだったが、目はマットな球体がそこに埋め込まれているかのように光が宿っておらず「無」だった。こちらを見てくれているかどうかも判断がつかず、緊張と動揺でそそくさと劇場を出た。帰りの道中、あの感情のない目を思い出しては心をざわつかせていた。

 

それからウエストランドのプチプチブレイク時代(幻のいいとも純レギュラーなど)が過ぎ去った2016年6月。

無謀とも思える単独ライブを行うというので観に行くことにした。

一緒に行くはずだったパートナーにドタキャンをされて盛大な喧嘩をし、当日は最悪の気分だった。これが例のウエストランドの呪いか、とマジで思った。(彼らは大切な時にトラブルが起きやすい)

もはや笑いに行くテンションでは到底なかった。行くのをやめようか。でもチケットを2枚無駄にするのは流石にしのびない。

「お笑いライブ一緒に行きませんか?ウエストランドの」と急に誰かを誘えるほどの強いハートは持ち合わせていなかったので、どうにか気持ちを奮い立たせて一人で行くことにした。

会場はよりによって勤めていた会社のすぐ近くで、周りの目を気にしながらコソコソと入場した。まともそうな大人が受付にいたので安心した。

入ると人がすごいたくさんいる。

え?この人たちウエストランドのファンなの?こんなに??

ゾンビ映画なんかでよくある、ひとりだけ生き残ってると思って戦ってたら安全な場所にみんな集まっててなんだよいるじゃん!ていうあの時の心境。

「本日満席なので席に余裕ございませんー!詰めてお座りくださいー!」

とスタッフの方がアナウンスする中、知らない人たちに囲まれてじっと待つ。

「1席の余裕は確実に出ます。ごめんなさい。」と心の中でつぶやきながら。

 

いよいよはじまる。でも笑えないかもしれない。

それは当日の最悪のメンタルコンディションもそうだが、単独ライブ初挑戦の彼らと私。

お互いどうなるか未知数だが、面白くなかった時のお笑い会場が地獄であることだけは予想がつく。そうなるともう我が子の晴れの舞台を見守る親のような気持ちでドキドキしてきた。できるのかしら、あの子たち。(彼らと同い年です)

 

「どーもー!」

いつもよりめかしこんだウエストランドが登場してきた。

でてきたー!本物だー!

自分でも意外なほど気分が明るくなっていくのがわかった。

 

そこからはもうあっという間の時間だった。

単独ライブはその後誰のも行ったことがないので"普通"がわからないが、彼らはひとネタ終わると「ありがとうございましたー」と舞台袖に下がって、また少しだけ時間をおいて「どーもー」と元の位置に戻ってきて次の漫才をしていた。

出てきたりいなくなったりが無駄なくらいテーマは一貫していたが、不思議と飽きずにずっと会場は笑いに包まれていた。私もはじめは遠慮がちに笑っていたのが、会場の雰囲気と一体になっていつの間にか声を出して笑っていた。

今日来てよかったと心から思い、淀んだ気持ちは昇華されて家路についた。

 

さてさて、そんなウエストランド

なかなか売れそでなかなか売れない。そこそこ見るけどほとほと見ない。

勝ちそで勝てないM-1敗退。

(偶然韻を踏み始めたのでラップ調にまとめました)

 

正統派漫才じゃないから万人受けはどうかなぁとここまで言っといて遠慮がちになってしまうのですが、この動画見てくれたら敗者復活するかもしれない、てことでよかったら見てあげてください。

gyao.yahoo.co.jp

 

自分でもファンなのかはよくわからないけど、応援してるよ。

頑張れ、ウエストランド!