クルミを割ったことのない日々

思いついたことを好きなだけ

ASKA&DAVID FOSTER 横浜公演の感想

2023年3月16日 ぴあアリーナMM(横浜)

ASKA&DAVID FOSTER

PREMIUM CONCERT 2023

を観た感想です。

すぐにでも感想を書きたかったけれどコンサート翌日から即ハードモードの仕事の日々。

残業休日出勤12連勤早朝出勤12時間労働……からようやく解放されてやっと体力気力が戻った今は、すでにツアーも始まっておりうろ覚えという始末。

そして最近ひしひしと感じる靴底のように記憶力がすり減っていき回復しないという悲しい現実。年を取るってこういうことなんだと痛感する。

コンサートはその時最高に楽しめてるからいいよね!と納得はしているけど、できることなら大切な思い出として引き出しにしまって時折取り出して浸れたらどんなにいいかと考えてしまう。

そんな無理な望みを強く抱くほどにものすごくものすごーーく素晴らしいステージでした。

けどもう感想は思い出せたものだけになっちゃいます。トホホ…

 

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3日間あるうち私が参加した初日の横浜公演はど平日の木曜日だったので、今日早退なんだよね?と意味ありげに再確認してくる上司に「ハイ!」と力強く返事して仕事をきっちり切り上げ横浜へ。(これが伏線となり翌日から冒頭に書いた地獄へと続くわけだがこの時はまだ知る由もない)

ちょっと迷子になって早足で到着した会場は1万人規模で1階はアリーナ席。

この規模の会場はASKAさんのライブでは初体験。私は2階席ではあったものの思ったより高さがないので中2階くらいの感じだった。相撲の本場所で例えると国技館の2階ではなくエディオンアリーナ大阪の2階くらいの違い、で伝わるかな。(これ読んでる全ての人に伝わらない説)

でもさすがにASKAさんの表情まではステージ脇の大型ビジョンでないと確認とれないくらい今まででいちばん遠かった。

 

セットリスト

 

1.SAY YES

最初からはDAVID FOSTER(以下DAVID)はおらずASKAさんのソロライブの形ではじまった。

Twitter見てたら一曲目がYAHだと言ってる人がちらほらいて、それはないのでは?と思いながらもセトリのネタバレ絶対許さないマンの私は余計な情報入れたくないから次のツアー前はTwitter見ないと心に誓ったんだけど。

違うじゃん!笑

それともASKAさんもこの情報知って変えた?まぁいいや。

ただいきなりのSAY YESも意外で、このライブがひと味違うものになるだろうことが早くも予感された。

一曲目から思ったのは今日のASKAさん気合い入ってるなーって。いや、いつも手を抜いてる感じは全くないのだけど、もう一段階いつもより意識してる存在があって歌ってる気がしてしまうのはこっちが意識してるからかな。でもそう思ってしまうくらい丁寧に歌い上げていて、一気にひきこまれた。

あのダーーンってイントロのはじまり、改めて最強よね。101回目のプロポーズを今年になってちゃんと全話観たから余計にそう思う。あ、余計なものなどないか。笑

 

2.憲兵も王様もいない城

大ヒット曲からの近年の名曲。

新旧織り交ぜてASKAの世界をこの大きな会場で大音量で味わえてる喜び。

「ひーまーわりのー」のとこうっかり最初入り損ねたりしてドンマイと思ったりした他に、この曲に関してなんかあった気がするけど忘れた。

大きな会場だからこそのライティングや音質を感じられて、ステージ全体と会場の雰囲気を見渡せる位置からもきっちり現実と離れた異空間に組み込んでもらえた。ASKAさんライブでこれまで経験なかった派手さがあり、こりゃ面白くなりそうだぜ!とワクワクが加速していく。

 

3.共謀者

生では初めて聴く大好きなアルバム「ONE」の曲。

だいたい一人称俺の曲好き。少し乱暴にガッと肩を組んで、いいから俺に付いてこいよ!みたいなイメージの曲が今の気持ちに刺さる。色々あるけどやっぱりしがみ付いていきたくなる歌声、絶好調ですよ。俺たちはひとつ名で結ばれちまってるよ!

 

4.迷宮のレプリカント

私にとって人生初ASKAさんだった2018年のシンフォコンサートの時以来聴いたけど、あの時とは違うバンド編成だし歌声も伸びやかでまたこんな形で聴けてうれしい。あれから4年と少ししか経ってないのにこんな大舞台を観ているなんてね。

今回ステージ上にもライトのスタンドが並んでてそれが色が変わったり動きなど細かく演出されていた。

この曲のミステリアスな魅力がステージだけでなく会場を使ってより大きく描かれているようにみえて、俯瞰で見ている不思議な夢の世界に入りこんだような気持ちにさえなった。

 

5.はじまりはいつも雨

6.MY Mr.LONELY HEART

はじまり〜の曲終わりからアレンジが加わり変化していくメロディ、そしてMY Mr.〜へ。

この流れが美しくドラマチックで、とても胸を打たれた。MY Mr.〜はASKAさんがDAVIDに影響を受けて作った初のソロシングル曲だし是非聴きたい一曲だったから、この演出のされかたはたまらない。絶対澤近先生の仕業だと思ったら後日やはりそうだと判明。先生大好き!

原曲より低いキーで静かに今のASKAさんらしく情感たっぷりに歌い上げる。「もう…壊れそうさ…」の消え入りそうな切ない歌い方とかこれぞASKAって感じで胸が熱くなり涙が出てくる。すると1番終わりで転調し原曲キーでアレンジもオリジナルへ。これもまた嬉しい。この曲もともと好きではあったけど、このライブからより一層好きになった。

 

MCに入りASKAさんが英語でDAVIDに関してを語ってから

「Great producer DAVID FOSTER!!」

と呼び込んでついに登場!

おぉー!!本当に来てた!笑

直前まで情報が無さすぎて映像出演では?とか疑念や心配の声も飛び交ってましたが、本物ですよ!

御歳73歳ですがスッとした佇まいがカッコいいし、ASKAさんが我々に向けて日本語で話しはじめたら「ちょっとちょっと、英語で話してくれよ」ってジョーク飛ばしたりするユーモアもあり早々に観客の心を掴んでくる。

DAVIDのドキュメンタリー番組を事前に見たりラジオの特集聴いたりしてその魅力も凄さもある程度学習して、是非会ってみたい気持ちが高まってからこの日を迎えたので、まずその人柄を体感できたことにテンションが上がった。

そしてそんなジョークを一瞬本気にしてドギマギしたり、憧れの人とのステージが嬉しくていつもよりはしゃいでる感じのASKAさんがかわいい。

ところで、もちろんDAVIDはずっと英語で話してます。でもだいぶわかりやすく簡単な英語で話してくれてた気がする。それでも私の英語能力ではなんとなくの雰囲気しかわからないし、ASKAさんが通訳を随所でしてくれるけど雑で(笑)ASKAさん自身も正確にわかってるのか謎な瞬間もあったり。なのでこの先も正しい発言内容ではないかもしれませんのでご了承ください。

 

7.You Raise Me Up

DAVIDのピアノ演奏が始まると観客全員が息もせず見つめているような集中した空気を感じた。

その期待の視線を力にでも変えたかのように、Singerとしての力を余すことなく発揮しASKAらしさも全開の大熱唱だった。

今まさにASKAさんの夢が叶った瞬間に立ち会っているという事にも胸がいっぱいになり、一音一音を心に刻み目に焼き付けるように見つめ聴き入っていた。

 

ここから一旦ASKAさんはステージからはけてDAVIDの単独ステージ。

8.Winter Games into St. Elmo's Fire

DAVIDのピアノと有名なサックス奏者のケニー・Gがサプライズのリモート出演で演奏を披露。私はすみません、ケニーさんを知らなかったのだけど、会場ではどよめきが起きたくらいすごい方のようですね。演奏は素敵で心が弾む気持ちでした。

 

9.ヒットソングメドレー

これが何の曲とわかるほどまで事前学習できなかったけど、聴いたことある!って曲をピアノ演奏のメドレーで披露してくれた。シカゴの曲など。

それからASKAさんも再び出てきてDAVIDのピアノ演奏に合わせて代表的なヒット曲であるシカゴの「素直になれなくて」をみんなで歌おうコーナー。

カラオケ風に歌詞を映像で流してくれたんだけど、ごめん…歌えるほどこの歌マスターしてこなかった…。とりあえず皆歌いはじめたけど♫モニョモニョ…「全然聞こえないぞ!だめだ!俺帰る!」と怒った演技でDAVIDが席を立ち、観客があー!ダメー待ってー!と盛り上がり、ASKAさんが引き留め「DAVID、ここは日本だぜ?(多めに見てくれというニュアンス)」とフォローしたりで再挑戦。ASKAさんも小さめに一緒に歌ってくれてて我々も頑張ってはみたものの、やはり大合唱には至れなかった感あり。申し訳ないDAVID…。もしも次にチャンスあれば特訓して行くから同じ曲で頼む。笑

あとDAVIDが「トップガンだーいっきらい!トップガンのせいでアカデミー賞逃した。でももし自分の曲が使われてたら絶対賞取ってたね!」….みたいなことを茶目っけたっぷりに言って、トップガンの映像に「Glory of Love」合わせた映像が流された。

面白!でもこれもし今回のコンサートがブルーレイとかになっても権利関係で収録されなそうだな。

他にもASKAさんが「その昔無名だった頃のセリーヌディオンが僕の歌(WALK)をカバーしてくれる話があったのに流れてしまった。彼女はあなたの方を選んだんだ!」とDAVIDに向けて大げさに責めたように話すと、DAVIDが近くにいたギターの鈴川マッキーさんに「sorryって日本語でなんて言うの?」ってコソッときいてから「ゴメンナサイ…」ってあやまるというひとくだりも笑いが起きてた。

と、こんな感じで大物なのに本当に気さくでチャーミングでサービス精神のあるお方。だから皆がどんどん彼を好きになっていくのがわかるほど歓声や笑いが大きくなっていき、会場の緊張感もほぐれていった。

 

そしてゲストの宮崎薫さん登場。

ピンク色の衣装がセクシーかつカッコ良くとっってもお似合い!遠くからでも光り輝いて見えたくらい本当に綺麗でビックリ。

10.To Love You More

そして歌い出したらパワフルでいて透き通るような美しさと可愛らしさが絶妙なバランスの歌声。澄み渡っていくように空気が華やかに変わった。

歌っている間、音楽も観客も会場も完全に彼女のものになっていた。

決してASKAさんの娘さんだからではなく、素晴らしい歌手のパフォーマンスに対して心からの拍手を送った。

DAVIDも絶対気に入ってた。世界デビューできる勢いだよ。でも手出したらダメよ!笑

 

そんな薫さんと入れ替わりでASKAさん再登場。

特に薫さんと言葉を交わすわけでもなく(グータッチしたのはこの時だっけ?)すれ違った瞬間にDAVIDが

「おいおい!娘とハグしないの!?」

みたいな事を言って、薫さんは舞台袖近くで立ち止まってどうしようかって考えてる風だったけど、照れなのかASKAさんは冗談ぽく「カモーンDAVID」と言いながらDAVIDに近づいて行ってて、このカモーンが「やめてくれよ」の意味なのかと思ったら両手を広げて結局DAVIDにハグしてたから「おいで」の意味だったのか。

ASKAさんと薫さんのおそらく複雑であるかつ日本の親子たる距離感。ASKAさんも娘にはこんなに照れや遠慮がでちゃうただのお父さんなのね。

 

そしてコンサート前からASKAさんがやることを予告していた、ピアノのコードに合わせて即興ソングを作って歌ってみるコーナー。

澤近先生との即興は観たことあったけど、以前DAVIDのコンサートにASKAさんが飛び入り参加した時もやったらしく、今回はそのお二人のピアノの即興演奏リレーにASKAさんがスキャットの歌でメロディーを乗せる形。

まずは澤近先生から弾くことになり

ASKAさんは「何でもいいよ」と言い、澤近先生が明るく軽やかなコード進行で弾きはじめた。その瞬間のASKAさんの反応から(あ、求めてる感じじゃないんだなw)と思ったら案の定「…そういうのじゃないな、もっとこう…」ってストップかけて注文してて、何でも良くないじゃん!っていう。笑笑

遠くからでも澤近先生の

(´・ω・`)ぇ…

って感じの雰囲気伝わってきてかわいそうだけど笑ってしまった。日頃の苦労が伺えました。笑

 

リトライからはスムーズに神々の遊びが繰り広げられ、僕ら庶民は超人技すぎてどういう能力がどうさせているのかわからないけど凄いもの見せてもらってることだけはわかります状態だった。即興とは思えない完成度のバラード曲が誕生した。

 

11.Man & Woman

なんの曲始まったのかと思うほどイントロはアレンジされてた。

知ってる曲が大きくアレンジされているといえば「one voice」というチャゲアス曲のカバーアルバムがあるけど、その感じでセルフカバーしているような、すんごいレアなもの見てることにトキメキが止まらない。

それなりのチケット代を払った気でいたけど、これなら安いかも知れないと思えるプレミア感。

あと英語の歌詞部分を意識して発音良くしてたと思うので、本当にDAVIDが好きでこの日のために力を注いできたんだろうことがそこかしこに伝わってくる。

 

12.next door

DAVIDがピアノ演奏。サビの最後の「愛しあうこともー…」のとこは歌わず、「見つめては」の後はあの印象的なトーントーンというピアノの音が鳴り響くバンド演奏だけになるというアレンジだった。はじめ違和感があったけど続く言葉を想像させられるようでなんだかドキドキした。少しの変化でも新鮮に感じられる。音楽って面白いな。

 

13.PRIDE/素直になれなくて

PRIDEはDAVIDに影響受けて作った曲とのことで、今回よりそれが感じとれたしDAVIDが演奏することでらしさが強まる。

途中でシカゴの「素直になれなくて」に切り替わる。なるほど、こうして聴くと似ているわけではないのに共通するものを感じる。とすると、この曲から着想を得て作られたのかな?

そしてまた歌はPRIDEに戻っていく。

こんなアレンジで歌うことできているなんて、きっとASKAさんからしたら我々が想像する以上の出来事なんだろうな。

 

ここで一旦DAVIDはステージからはけた。

さんきゅーDAVID!!

すっかり親しみを感じてたのでちょっと寂しくなる。また戻ってきてよね…。

 

14.RED HILL

わーい!大好き!!!

しかし、この曲あるあるの立つのか立たないのかどっちなんだい問題。今回もアリーナの片側一部の方達だけ立ち上がっていた。ハイグラツアーでも一部がこの曲で立ち上って困惑したけど個人的には立つ曲ではないように思ってる。かっこいいしリズムに乗りたくなるけど手拍子って感じじゃないし…チャゲアスのライブでは立ってたのかなぁ?

そのせいか理由はわからないけど大阪公演ではこの曲やらなかったらしく、やはり次の曲への流れ考えると座っててほしかったのでは?と思ったりもする。

あと演奏も歌声も良かったけどステージのライトが赤と水色のパチンコのフィーバーとか電飾看板みたいな派手な動きしてて正直ちょっと目障りだったのも一因だったりするかしら。そう思ったの私だけかもしれないけど。

 

15.けれど空は青

16.リハーサル

17.晴天を誉めるなら夕暮れを待て

18.YAH YAH YAH

ここまで歌声ばっちりで気持ちはMAX!

けれ空でジーンとしてリハーサルで熱くなり晴天で立ち上がって飛び跳ねてからの極め付けYAH YAH YAHなんて!

振り上げる拳にも力が入る。たのしー!!

 

19.Be free

この曲をやるとは。

ファン歴の長くない私にとってこの曲はASKAさん復帰後の初めてリアルタイムで手にしたニューアルバムの中の一曲。だけど昔からのファンの方はこの曲に様々な想いがあるらしいことは何となく知ってる。でもだからこそ、この場所で歌い上げることにも意味がある気がする。そしてこの歌のもつ本来のメッセージにおいてもここ数年の閉ざされた世界から解放されたい、皆も自由になろうよ、という意味合いも持っていると感じた。

歌にされると素直に気持ちを受け止められるんだよなぁ。ASKAさんの持つ音楽の力は心をも超えると思ってる。

 

曲が終わると「♫YAH YAH YAH〜」と歌いながらDAVID再登場。超いい曲じゃん!(意訳)って褒めてくれてた。

 

20.僕のwonderful world

DAVIDのピアノ演奏で。

コンサート前までどんなコンサートになるのか、どの程度まで期待していいのか、誰も経験のない特別な公演だったから少しの不安もあった。

でも最後にこの曲を聴いていた頃にはとんでもないスペシャルな出来事を今夜体験したんだという興奮と感動で幸福感に満ち溢れていた。

 

DAVIDはASKAさんが素晴らしいシンガーだとを褒め称えてくれていた。あれはファンの前だからのお世辞ではなく気持ちがこもっていたと言える。

そしてエンディングで演者が並んで手を繋いでいくなかで、ついにASKAさんが薫さんと手を繋いだ。

私は今回お隣の席の方と開演前からお話ししたり一緒にコンサートを楽しむことが出来ていたので、この瞬間も2人で顔を見合わせてそのことに良かった良かった!とキャッキャしていた。

ASKAさんがみなさんとハグする流れの時になると、DAVIDがハグしろハグしろ!と促す形で薫さんとASKAさんがハグ。そしてDAVIDも交えて3人でハグ。わぁ!と歓声もあがった素敵な瞬間で、私とお隣さんも拍手して喜び合った。

そうして温かい気持ちに包まれたまま最高の一夜は幕を閉じた。

 

ASKAさんの夢の共演は、観ていた私たちにとっても夢のような出来事として強く心に刻まれた。

ASKAさんはもちろんのこと、DAVIDにもそのレベルの高さを褒められたというASKAバンドとストリングスの皆さんの一流の演奏にも、改めて感謝と尊敬の気持ちを大きくした。

 

素晴らしいステージを本当に本当にありがとう!!

DAVIDにも心からのありがとうを贈りたい。

いつの日かまた会えるといいな。

DAVID、SEE YA!!