黒澤明の『七人の侍』を基にした1960年の西部劇映画『荒野の七人』をリメイクしたという『マグニフィセント・セブン』。アマゾンプライムで観てみました。
『七人の侍』は一度だけ観たことあるけど『荒野の七人』は観たことない、というレベルなので誰がどうとか詳しく語れない立場としてこの一点だけ強く伝えたい。
7人の男たちがかっこいいよー!イーハー!YEE-HAW!
無茶しちゃダメー!死なないでー!と応援したくなる。
中でも個人的な1位はイ・ビョンホン。
なんだかやたらと身体鍛えてて顔テカらせながらニンマリ笑ってる感じがやり手のホストぽくて好きじゃないなーって思ってたのに、すっかり魅了されてしまった。
よく考えたら彼の出てる作品をまともに観たこともなく勝手なイメージだったわけで本当申し訳ない。キムタクの映画『HERO』にちょい役で出てたのくらいかな、観たの。ビョンホンごめんね。
あるいは私がアジア顔好きなもんで、またそのマジックにかかっている可能性もある。
しかし初めは似てるだけでビョンホン本人だと思わなかった。顔もテカってないし思っていたよりすごく華奢に見えたから。調べたら他が相当大きいのね!
いちばん大きくてクマ感のあるヴィンセント・ドノフリオ(『フルメタルジャケット』の「微笑みデブ」の人)が192㎝で小柄な印象のあるイーサン・ホークでも179㎝。他は全員180㎝越え。イ・ビョンホンは177㎝と決して小さくないのにこのメンバーなら小さく見えるはずだわ。爆笑問題の田中さん(154㎝)とかが並んだらホビット状態になりそう。
アジア代表としてのビョンホンの他にも人種、性別とポリコレ云々をビシバシ感じるメンバーを並べていて、今のハリウッドの考えが前面に出されたキャスティングね……と感じざるを得なかったりもするけど、それはそれとして全員キャラが話にマッチしてて素直に楽しめる。エマ役のヘイリー・ベネットも徳永えりに似てて可愛いしかっこいい。クリス・プラット演ずるファラデーなんてみんな大好きになるに決まってる。
ファラデーの古典的な”やれやれ系無敵プレイボーイキャラ”(涼しい顔してるのに悪者に殴りかかれれたら簡単に相手をノックアウトさせてそばで見ていた女の子にウインクするようなキャラ)もそうだけど、全体に漫画的な誇張されたキャラクター設定だったりセリフや展開だったりして、それが一周回ってストレートに楽しい。
デンゼルワシントン演ずるチザムが、仲間にする前のファラデーに言うセリフなんて、
ファラデー「何人集めた?」
チザム「2人」
ファラデー「そこの2人?」
チザム「お前と俺だ(you&me)」
ベタだけどいいよいいよ!こういうのどんどん入れていこう!っていう気持ちになる。
イーサン・ホークは先日『しあわせの絵の具』を観て好きになったばかりだったので、出てきてテンション上がった。
今回も良い役どころ。そして「グッドナイト・ロビショー」って名前が好きすぎる。なんだよその名前!私の謎のツボを突いてくる!
イ・ビョンホン演ずるビリーとの関係性もいい。
一緒に観ていた夫が7人揃うかどうかの時に「あとはゲイのキャラ出てくれば全方位への配慮完璧だな」と言っていたけどそれはさすがにね、と思いきや話が進むにつれて、グッドナイトの失態をかばったり心配したり再会に喜び彼の名前を呟くビリーはひょっとして……?この熱い友情ともとれる適度なにおわせが逆によかったり。
どんな違いがあるのか『荒野の七人』も観てみたくなった。あと『七人の侍』を観直したくもなった。今回の7人に『七人の侍』のキャラを当てはめるのはちょっと難しいほどアレンジされていたように思うけど、夫曰くデンゼルと志村喬はよく似ているらしい。その辺の確認や比較も改めてしてみたい。